八幡・中間相続遺言相談室の
相続手続きに関する相談事例
小倉の方より遺言書についてのご相談
2023年03月09日
父と母が連名で署名した遺言書が見つかりました。この遺言書は有効なのか、行政書士の先生教えてください。(小倉)
小倉に在住の50代の男性です。先日父が長い闘病の末、小倉にある病院で亡くなりました。家族もある程度は覚悟しておりましたので、それほど慌てることもなく葬儀を終えることができました。
家族で協力して遺品を整理していたら、父の書斎で遺言書を見つけました。母に聞いたところ、どうやら生前父が元気なうちに相続について決めておこうと両親で相談して作成したそうです。私は5人兄弟の長男ですので、遺産分割の時に私に負担がかからないように配慮したのだと思います。
遺言書の内容は、父が所有していた金融資産や小倉にある不動産の分割方法のほか、母の財産にも及んでいるそうです。連名の遺言書は聞いたことがないのですが、この遺言書は有効になるのでしょうか。(小倉)
婚姻関係にあるご夫婦であっても、連名で署名された遺言書は無効となります。
民法では、「共同遺言の禁止」を定めております。
これにより2人以上の者が同一の遺言書を連名で作成することを禁じておりますので、残念ながら今回ご相談の遺言書は無効となります。
遺言書は遺言者の自由な意思を反映させ作成されるべきものです。もし複数名で遺言書を作成してしまうと、一人が主導権を握って作成してした可能性を否定しきれません。全ての人の意見が反映され作成されたかどうかを証明することが出来ないのです。
また、遺言者が遺言書を撤回する場合、連名で作成した全ての人の同意を得なければなりません。同意が得られない場合、遺言者は勝手に遺言書を撤回することが出来ず、遺言者の自由な意思を反映させるという遺言書の定義が崩れてしまいます。
遺言書の形式は法律で厳格に定められております。その形式に沿って作成されていなければ、せっかくの遺言書が無効になってしまうのです。
遺言書は遺言者の最終意志を伝える大切な証書です。自筆証書遺言はご自身で作成し保管するので費用もかからず手軽ではありますが、法的に無効になる危険性もあります。遺言書には自筆証書遺言だけでなく、公正証書遺言もございます。公正証書遺言は公証人が作成し保管するため、遺言書が無効になる可能性は極めて低く、紛失や第三者による書き換えを防ぐことが出来ます。
もし今後、ご相談者様自身が遺言書を作成することがありましたら、相続手続きの専門家である八幡・中間相続遺言相談室へぜひご相談ください。遺言者の自由な意思を確実に残せるよう、全力でサポートいたします。
八幡・中間相続遺言相談室では、小倉および小倉近郊にお住まいの皆様から相続に関する相談を多数いただいております。相続は人生に何度も経験することではないので、不慣れでいらっしゃるのは当然のことです。八幡・中間相続遺言相談室では初回のご相談を無料で承っております。相続手続きに精通した専門家が親身になって対応いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。